『紅茶王子』山田南平著 16巻続巻 白泉社


大切な人に出さなきゃいけなくて
あせるほど
ゆっくりていねいに


ひさびさの好き好きの更新は、近頃日記でしつこいほど出てくる、『紅茶王子』です。


〜満月の夜に、
紅茶の入ったティーカップに映る月を銀のスプーンでくずすと、
紅茶の妖精が現れて、あなたの願い事をかなえてくれる。〜
書いてて恥ずかしくなるようなおまじないですな。


で、実際に現れた、アッサムとアールグレイの2人の紅茶王子
2人を呼び出した、吉岡奈子(たいこ♀)と内山美佳(はるか♂)、同じお茶会同好会のメンバーの染野雪子(そめこ♀)の
5人を中心に繰り広げられる
ドタバタ学園コメディー?ちょっと涙あり、です。
願い事は3回まで。あまりにもだいそれた願いは却下。(世界中の女は全員俺のもの、とか)
美佳曰く、「努力すれば叶う程度の願いごとを、借りつくってまで叶えてもらう趣味はないね。」ってなことで、みんなの願い事はどうなるのか?ってのも楽しみです。
回を経る毎に新しい紅茶王子(王女)も出てきます。
先の2人に加え、オレンジペコー、セイロン、黄山紅牡丹の総勢5名+α。
ちなみにダージリンは欠番らしいです(フフ)。
ま、内容の話はこれぐらいにして、俺の感じるこの漫画の人気の秘密を、ちょっと考えてみましょうか。


○かわいさとかっこよさの同居
女の子って、ちっちゃくてかわいいもの好きですよね。
それと同じくらい、かっこいい男の人も、多分好きでしょう。
かわいさと、かっこよさ。
この2つってなかなか同時に存在するのは難しいもの、だと思うんですが、この漫画はそれをうまく融合させてます。
方法としては、妖精形態である2頭身バージョンと、人間と同じ大きさの8頭身バージョンの2つの姿を、魔法を使って使い分けてるということになります。
紅茶王子のかわいさとかっこよさの二面性が、この漫画の魅力の一つなんでしょう。


○ご主人様と下僕
昨今の男性向け漫画、アニメのメイドブームを見て思うんですが、
自分の言うことをなんでも聞いてくれる下僕が欲しい、
っていうのは誰もが持ってる思いなんでしょうか?
女の子の場合は、私だけの王子様、願望になるかな。
(そういう意味では、紅牡丹はお姫さまを守る騎士って感じが前面に押し出されていて、ポイント高いんじゃないかと勝手に思ってます。)
呼び出される紅茶王子達は、自分達の国ではみんなほんとの王子(王女)様です。王族ともなれば国元ではお付きのものがいて、普段はかいがいしくお世話される側であるはず。
にもかかわらず、呼び出されると献身的に召喚者につくすその姿に、ゾクゾクするほどの快感を覚えるマニアな方もいるかも。


○紅茶がおいしそう
紅茶とかお茶うけのおかしとがホントにおいしそうなんだって。
レシピが載ってるから、実際に作ろうという気にもなるし。


○懐かしい気持ち
学園ドラマで、学校行事がたくさん出てきます。
体育祭や文化祭、新歓など、自分の高校時代のことを思い出したりして、懐かしい気持ちに。
読者でも、現役高校生はどんな感想を抱くかまでは分からんですけど、少し年配の人達は、結構俺とおんなじようなこと思うんじゃねーかなー。


もちろん、ストーリーや絵柄、主要人物達の性格等、
いろんな要素あるんでしょうけど、
+αの部分での魅力を考えてみました。


んじゃ、この好き好きのメインテーマである、この本にまつわる思い出話も最後に書いときます。
この『紅茶王子』は、こないだ日記で書いた、例の、いきなり連絡の取れなくなった女の子が以前に紹介してくれた本です。
今頃思い出したのは、単に偶然本屋さんで見かけただけなんすけどね。
その子とは思い出が出来るほど深く付き合ってないっつーか、単なる飲み屋の女の子と客の関係以上のなにものもでもないですが、『紅茶王子』を読みながら、彼女と話したいろんなことを思い出したりするあたり、俺もまだまだ修行が足りんなぁ、と感じる訳です。
はぁ。